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中国の勇み足・香港の瀬戸際

逃亡犯条例・香港・雨傘運動

 

2019年6月9日

逃亡犯条例改正の反対のデモが行われる。怒りを込めて反対の意思表示をする香港市民の100万人規模のデモが行われる。3回目である。100万にとは香港人の1/7に当たる。香港自治の危機という危機感が強いのだ。このままでは中国内香港になってしまう。中国も窓口を閉ざしてしまうことになるから余り利点はない。

6月17日

9日 100万、16日200万人の条例撤回を求めるデモの参加者。2014年『雨傘運動』は失敗に終わり、その後締め付けが厳しくなった。言論の自由が脅かされ続けた

「あまがさ』運動の指導者が出所し、今回の運動に合流する。改正案の撤廃と行政長官の辞任を要求。1989年の天安門以上の規模。香港人の1/3人が参加したことになる。これには正直驚いた。彼等の危機意識はそこまで強いのだ。「高度の自治が許される香港」の存在を揺るがす事態という認識なのだ。政治的自由が失われる‥常に中国の顔色を窺わなければ、平穏な暮らしすら守れなくなるとの危機感の表れ。

香港には熱いものが残っている。『怒り』を表現するというエネルギーがあるのだね、等と自己反省を込めた賛同の意思表示ではダメだ。兎に角、中国への犯罪容疑者の引き渡しを可能にする条例改正に反発した若者らが抗議活動を行っており、数百万人規模に膨らんでいるという。もう若者らの抗議活動という範疇ではない。

 逃亡犯条例改正とは

2018年、台湾で起きた殺人事件がそのきっかけになった。犯人の香港人が香港に戻った。そして殺人事件が発覚した。香港警察は容疑者の捜査で殺人事件であると立証した。が、香港と台湾の間に「犯人引き渡し条例」がなく、犯人を台湾に送還できなかった。

かと言って、香港で起きた事件ではないので殺人は罪に問われない。誰もが「おかしい」「そんなの法を改正すべきだ」「理不尽だ」と思った。そこで香港行政長官の林鄭月娥(りんてつげっか)が、「身柄引き渡し」の逃亡犯条例の改正案を提出した。当たり前のことである。が、その改正案には「政治犯」「亡命者」も含まれている。

6月24日

『人権』と『自由』と『民主』がなくなってきていることを香港の人達はひしひしと感じ始めており、今この機会に起ち上がらなければ、自由都市国家香港は消滅してしまう。

多くの香港人は、中国人ではなく「香港人」だという認識を持っている。

8月5日

ジェネラルストライキが決行される

香港混乱、ゼネストと交通妨害で-行政長官「非常に危険な状況」

香港空港でも250便が欠航した。

 

8月12日

香港国際空港がデモの参加者の占拠される。開放されたのは13日になってからである。

全便が欠航となる。

香港当局は「香港は重大な岐路にある。抗議活動参加者らは危険な手段を用いている。テロリズムの芽が出つつあり重大な犯罪行為だ」と指摘した。「テロリズムであると認定されるとやばい。中国の常套手段だ。テロリズムを取り締まるという名目で新疆ウイグルをチベットを蹂躙し、弾圧し続けている。危険な兆候だ。

 

8月18日

今日も大規模なデモが計画されている。が、当局はデモを許可していない。

キャッセイ航空のパイロット 学校の教師 釈放された4年前の雨傘運動の女性指導者アグネスさん(日本語上手)

2006年にはチベットが、2007年にはウイグル族 そして天安門事件(1989年)そして、一番不気味なことは川向こうの中国領深圳には武装警察隊が集結している。この警察隊は、人民解放軍と警察の中間的立場。香港が終息不可能な状態と判断すれば行動するだろう。

 

8月27日

「生きるか死ぬかだ」

  香港政府の市民への対応に憤慨したJサンは、海外の仕事を辞めて飛行機に飛び乗り、香港に戻って抗議活動に参加した。今回の活動は香港の将来のための生きるか死ぬかの闘いだという。

香港は今、中国政府の圧力で高度な自治を失いかねないとの強い危機感を抱いた市民たちによる抗議活動が渦巻いている。国の存続が掛かっている。

 

「今しかない。だから香港に帰ってきた」

先月に抗議活動に合流して以来デモには平和的に参加してきたと強調した。「今回成功しなければ香港は言論の自由、人権、全てを失う。抵抗しなくちゃいけない」

雨傘運動の反省もある。 2014年に民主化デモが当局に強制排除された後、中国政府に対する抗議行動は退潮していた。「闘い続ける必要がある。」「われわれにとっては生きるか死ぬかの状況だ」

<死なばもろとも><いましかない>

「逃亡犯条例」改正案への抗議として始まった市民の活動は、幅広い民主化要求に発展している。   「14年(の「雨傘運動」)は、手ひどい敗北だった。今回、暴力的手段の行使をも主張する参加者がいなければ、改正案はもう議会を通過していただろう」と、話す人もいる。おおむね平和的な抗議行動だった雨傘運動が結局、活動家リーダーらの投獄につながったことに言及。「ある程度の暴力的行動は有効だということの証明だ」と話した。

逮捕者 900名

逮捕者は既に900人近くに達している。禁錮刑を受ければ長期収監される見通しにもかかわらず、民主化を要求する活動家にひるむ様子は見られない。 デモの指導者、参加者の話を聞いている分にはかなり切羽詰まっている。一触即発の可能性がある。私は危惧をする。

   抗議デモは習近平国家主席を直撃しており、中国政府は暴力を伴う抗議デモを鎮圧するため武力をもって介入することはあり得ると明確なメッセージを送っている。

 

   中国政府が弾圧に動けば、香港の自由(高度な自治)など終わってしまうかもしれないと、疑問を投げ掛ける向きもある。

<2047年問題>

   香港の将来に対する不安感の表れでもある。自分たちにはいかなる政治的な表現手段も認められていないと感じており、普通選挙を求めるほかに手はないと考えている。

「立ち上がって政府を倒すか、政府のいいようにされるかだ。選択の余地はない」と話す。

「今回失敗すれば、共産党の独裁が強まることしか考えられないだろう。死なばもろともだ」

香港の「高度の自治」を認めた中英の合意が返還から50年後の2047年に失効する。もう時間はないのだ。

<香港は中国ではない>

   中国政府は香港を中国本土に取り込もうとしているが、住民の間では反発が強まっている。 中国政府が締め付けを強める中、不満を募らせる若者の多くは将来への期待などほとんどないと訴える。 「実際のところ、私たちには失うものが何もない」と話す人もいる。   街中の落書きは、抗議活動の参加者たちの反抗心を示している。「香港は中国ではない」、「平和を望むなら戦いに備えよ」

 

                                                     令和元年8月29日 脱稿

 

追記

私の香港

 昭和58年、決行したその夏に美尋さんの勤めていた「メルサ歯科」の旅行に同伴させて貰った。映画「慕情」の舞台になった岬も訪れた。そして何と言っても海鮮料理が美味しかった。自分で食べたい魚を甲殻類を選んで料理して貰うのだった。結婚したばかりで資金が潤沢でなかったので高価なものを美尋さんに買ってあげられなかったのが残念でした。マカオにも行きましたね。当然すっかんぴんになりました。

ブルース・リ死後10数年だったこともあり、中国人の、いやアジアの伝説の英雄だった彼の人気はまだ、まだ絶大であり、あちらこちらで等身大のポスターが、人形が飾られていた。そして「ドラゴンの道」への音楽が流れていた。

 

平均寿命 男女ともに世界一の香港

その原因は、健康長寿の源はどこにあるのですか。今回のデモ活動でもそのエネルギッシュさにビックリする。民族としてバイタリティーに溢れている。生活環境が良いとは思えない節も、報道も見聞きするのだが実際には凄いエネルギーの国ですね。

 その命の源泉は温かい毎朝の薬膳だという記事がありました。まさか・・・

如何に「医食同源」のお国柄とはいえ、そんな単純は事ではないと思う。

 

映画「慕情」

いつ頃観たのだろうね。ウィリアム・ホールディンとジェニファー・ジェーンズの競演、そしてウットリとして魅き込まれそうなあのBGM、チョットダブダブで裾がダブルのズボンも素敵だった。 内容は、もうすっかり忘れていますよ。

 

デモに参加する

2015年7月17日

美尋と2人で国会周辺デモに参加することにしました。人生の節目ですね。これまで日本の正義、拠り所だと考えてきた戦争放棄・集団的自衛権の放棄などを止めてしまおうという法案が提出されたのだ。これには一言言わねばなるまい。

7月18日

共同通信の世論調査では、内閣支持率では40%を割る。37.8%不支持が支持を上回る。

07月26日

「国会周辺を囲もう会」に自主参加をする。勿論美尋さんも一緒です。暑い日だった。兎に角暑い日だった。集団的自衛権を認めた戦争法案「安保法制」には真正面から反対です。安倍総理贔屓の私ですが、これはいけません。国の指針を変える所業です。

烏合の衆の如きでも参加ですが、それでもこんな経験をしました。

「この旗から国会議事堂寄りに集まっている方は、メディアに曝される可能性があります。それを拒否される方は左側にいて下さい。」「多くの若者は国会議事堂方面に小走りにしたが、日和見のタカさんは遠ざかりました。」

1970年安保改正大反対の学生運動に参加し、全共闘のシンパを自認した凜々しき、バンカラなタカさんはいなくなりました。

香港の学生さん応援します。

電話・FAX

TEL.0574-43-1200
FAX.0574-43-9050