TOKYO 020 その5 開催都市変更
東京オリンピック 2020
「オリンピックはその都市の名誉である」
「東京大会という冠がついているのは、大きなことだ」
フルマラソンと競歩の会場を札幌に移す
何が起こるか分からないのが人生だが、確率ゼロ%からの大逆襲
10月18日(金曜日)
IOCのトーマス・バッハ会長は17日、カタール・ドーハで行われた各国オリンピック委員会連合(ANOC)の総会でのスピーチで、2020年東京五輪のマラソン・競歩種目の開催会場について、「札幌に移すことを決めた」と発言した。
「IOC理事会は、東京の組織委員会と密に相談しながら、五輪でのマラソンと競歩種目を、東京から800キロ北にあり、気温が5~6度低い札幌に移すことを決めた」と語った。
前日にIOCが発表したリリースでは、「IOCは、マラソン・競歩種目を、1972年冬季五輪の開催地だった札幌市に移すことを計画している」と書かれていた。
バッパ会長のトップダウンの決定です。ドーハの世界陸上では女子マラソンで40%の棄権選手が出た。アスリート・ファーストであるならば、同じような条件の予想される東京は回避すべきである。その選択理由は、札幌の夏の気温は東京に比べて5-6度低い。国際マラソンを開催した経験がある。2030年の冬季オリンピックにに立候補している。
IOCとの間に交わした契約書に競技開催都市はIOCの決定に従うという項目がある。飲み込むより仕方がない。しかし、勝手極まる。面白くない。不愉快極まる。
何故こんな事が今更問題になってくるのだろう。十分に検討されてきたはずの事柄ではないのか。私なりに、解釈してみた。
注
オリンピックを主催するのはあくまで「IOC」であり、「東京都」でも「日本オリンピック委員会(JOC)」でもないということです。東京都はあくまで場所を提供して協力するだけ。すべての判断は、東京五輪の準備状況を監督するIOC調整委員会のジョン・コーツ委員長を経由して、IOCの許可がないとできません。 主催者が意思決定をする以上、日本には従う以外の選択肢はありません。
そんな事はない。
<<まだ選択肢はある>>
マラソンと競歩のボイコットである。
同じ日に、東京でフルマラソン大会を、競歩の大会を開催すれば良いのだ。
或いは
マラソンと競歩を10月10日(かっての体育の日、快晴・最高の運動日和疑いなし)に変更したらどうだろう。
この日なら、IOCも文句がないだろう。選手は8月に照準を合わせているだろうが、それでも東京→札幌の変更よりは違和感が少ないと考える。
< 灼熱の過酷なレースの紐>
この紐をを解いてみるとこんな記事がありました。
①1991年(平成3年) 東京で開催された世界陸上大会の男子マラソンは、4割の棄権率だった。その当時日本人の第一人者だった中山竹通も途中棄権している。この日も朝6時のアーリー・スタートだった。そして気温26℃だった。尤も25キロ地点では31℃まで水銀柱は昇っていた。
②今年(2019年9月10月)のドーハで開催された世界陸上はもっと過酷な条件だった。兎に角女子マラソンは、68名中28名が途中棄権をしている。優勝記録 2時間32分43秒は世界陸上の最遅記録だそうです。
競歩でも棄権率は高かった。男子50キロ競歩の完走率は61%だった。この大会を制した鈴木雄介の記録は4時間4分20秒だった。彼自身の公式記録で4時間オーバーしたのは今大会が始めてで有る。
<縦の糸> 選手第一で有らねばならぬ
この結果を見て世界中の選手から不満が噴出した。「命がけのレースにしてはいけない」という声が大きくなった。IOCにも非難が殺到した。世界に君臨するIOCもビックリした。自分達の行動が、計画が世界中から非難されるなどと考えたこともあるまい。バッパ会長以下、首脳陣も動転してしまった。そして、危機感を持って秘密裏に案を練り、誰にも相談しないで「2020年東京オリンピックの男子・女子マラソンと競歩」の会場を札幌に変更すると発表した。
<横の糸>>IOCはマンモス 誰も逆らわない
しかし、相談はあってもしかるべきだよ。東京オリンピック組織委員会そして開催都市の東京には相談すべきだった。世界最大の圧力団体IOCには誰も逆らえない。モンスターだからね。
注
今回の開催都市変更の決定は、IOCという絶対的で、巨大な権力と高度な政治性をもった組織が、その特性を遺憾なく発揮しただけなのです。
私は、このニュースを聞いた時、(即座ではないが)ソウルならば涼しいだろうからソウルでやろうという提案じゃなかっただけ良かったんじゃないかと思った。名古屋オリンピック誘致活動の折の、ソウル(韓国)申込期限切れ申し込みの受付・・ルール違反と言うよりもこんな事がまかり通れば規則なんて始めから要らない。今年の竹田JOCオリンピック会長の頸のすげ替え等、傍若無人の行動が目に余る、ヒドイと感じている。
<結論 ガンバレ小池都知事>
あの喋り方は、衣装は気にいらないがその事は今回の騒動とは関係ない。どちらかというと筋を通して下さいと
応援している。
小池東京都知事は「フルマラソンは東京で・・」と反旗を翻す。
それにしても、問題がありすぎる。ティケットは既に売り出している。大減収である。東京オリンピックマラソンの色々の企画が既に用意されている。今更突然の計画変更を受け入れることは出来ない。既に販売してしまったティケットはどうするのだ。払い戻しをすればそれで、チャラなのですか?
大損害を被る東京都への補償、そして札幌開催の莫大な新たな費用問題・・・誰が払うのか。解決しないまま、進み出すのですか?
<<>私の素朴な疑問>>
打ち水じゃダメなの?
日本には打ち水という避暑対策がある。
朝6時スタートならば、深夜のうちからコース、およびその周辺の道路歩道に打ち水(消防車、散水車で水を撒く)をすれば暑さは随分と凌げると思う。スタート後もやり続ければ大丈夫じゃないの?ミストも随分と効果があるのだから日本の科学の粋を集めて暑さ対策を練れば、素晴らしい冷却方法が見つかるのじゃないか?
札幌の何処でやるの。
当然大会会場が必要だが、そんなに観客を入れる陸上競技場があるのか?
札幌ドームを使うつもりかな!暑さ対策で東京を離れるのは、フルマラソンと競歩だけで良いのか?
馬術の大会も大変だったようである。トライアスロンはどうするのですか?
その他
< 費用負担は>
東京都にしれみれば大減収である。おまけに札幌の会場の建築費、交通費・事務費などの負担を強いられては堪らないだろう。選手の宿泊施設の確保だってどうするのだ。
「会場を移します、お金を出して」というのは、道理が通らない。「都がお金を出す道理は、そもそもない」小池知事は、マラソンと競歩が札幌で行われた場合の費用負担について、「仮の話」と前置きした上で、「都民の税金を支払う考えはない」と改めて主張した。全く同感である。
注
ふと浮かんだことだが、
IOCの案が、東京のフルマラソンと競歩中止或いは10月開催だったならばどうだろう。
まだまだ紆余曲折があるだろう。
<<東京都の小池百合子知事の発言>>
「都に協議もなく提案が突如なされたことについて疑問を感じざるを得ない」
「東京の人が納得する説明を、IOCには求めたい。都民の代表としては、マラソン・競歩の東京開催を望みたい。お互いの信頼なくして、大会の成功はない」と改めて主張した。
定例会見で、競技の開始時間を前倒ししての東京開催について言及。同日に小池氏と会談したIOCのコーツ氏が札幌移転を「最終結論」と強調してもなお、東京開催を主張する姿勢を崩していない。
マラソン・競歩会場を札幌に移転しようとしていることについて「札幌ありきで話が進められていることに困惑している」と述べ、突然の方針転換にあらためて不快感を示した。
I<OC調停委員長コーン氏との会談で>
開催都市の東京都が蚊帳の外に置かれたまま、話が進んでいることにも言及。「東京を外すことは、都民を外すことにとられる。1400万人の都民も、いまだに納得できないという人が多い」と述べた。大会組織委員会に対し「もう少しお力を頂きたい」とも、呼びかけた。暑さ対策にも「これまでIOCのメディカル部門からアドバイスを頂きながら、綿密な準備を進めてきた。なぜ(方針が)変わるのか」
「さらに工夫を、というならいくつか考え方はある」と指摘。
「どこで何が決まったのか、過程が分からない。まだクリアな説明を頂いていない」とも述べ、突然の変更の不可解さにも言及した。
<IOC調停委員会>
10月30日からIOC調停委員長コーン氏と東京都、そして組織委員長との間で会談が始まった。IOCに、決定を翻す気配が全くない以上、平行線でしかないのだが、何らかの妥協案で折り合いがつくことを祈るのみだが・・・1300万の東京都民は反対だから納まらない。
橋本聖子五輪相、札幌開催に理解 IOC判断「やむを得ず」・・・国を代表
小池知事、マラソン東京開催望む IOCの札幌変更計画・・・・・東京都代表
コーツ調整委員長は「変更は既に決定済みだが、合意を得られずに日本を離れたくない」・IOC
最終日の11月01日には組織委員会を交え4者会談が開催される。
令和元年10月30日
追記
2020年東京五輪のマラソン・競歩の開催地について、国際オリンピック委員会(IOC)と国、都、大会組織委員会の4者のトップ会談が11月1日正午から始まった。小池百合子・都知事は「開催地の決定権限はIOCにある。都として札幌開催には同意できないが、IOCの決定は妨げない。あえて申し上げるなら合意なき決定」と述べた。
小池さん、よくぞそこまで言い切りました。
令和元年11月01日
「合意なき決定」と言い切った小池東京都知事は立派だったね。
これぞ女城主「百合子」の面目躍如でした。