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登山とトレーニング  山本イズムを学ぶ

山岳JMAT  研修会
登山者に必要な身体の知識とトレーニング
                       鹿屋体育大学教授            山本正嘉

私事
 情けないほどに体力の低下が著しい。フルマラソン「サブ4」だった面影はどこにもない。今年の5月の「富山清流マラソン」も、6月の「金の鯱マラソン」も制限時間の6時間が背中に迫っている。これが衰えというやつか、誰もが辿る順路だろうから抗わないことがベストだ。流れるままに流されましょう。と決めてきていた。6時間がダメになったらもっと制限時間の長い大会を捜せば良いのだ。それが70歳の覚悟だ。
 そんな諦めの、諦観の境地を満喫している夏にこんな講演会の案内が目につきました。
JMATの研修講演会として県医師会館で開催される。
何か、ヒントが有るかもしれない。そう思って参加に手を挙げました。


山本教授と三浦雄一郎
 山本教授のことは少しだけ知っていた。化け物「三浦雄一郎」のエベレスト遠征トレーニングを指導したコーチとして有名な方である。鹿児島県の鹿屋体育大学の教授であり、登山家としても有名である。チョ・オーユー峰(8000メートル峰)の無酸素登頂でその名を汎く知られるようになられた。他にも数多くの登山史上に名前を残しておられる。8000メートル峰の無酸素登頂者で国立大学の教授であるという肩書きだけで充分である。他の形容詞は要らない。その山本教授から見て三浦雄一郎は「現代の怪物」か、それとも「努力の賜」か? しかし、講演会では、筋力測定中のスライドが1枚映し出されただけだった。

                       山本教授の講演会から借用

ここが知りたい?
    山登り的には、登山靴を履き荷物負荷をして歩いた方がランニングより効率的ですか?

  ヒマラヤ登山に必須なのは大腿四頭筋の秀でた筋力ですか。

三浦雄一郎(親子鷹が勝小吉と勝海舟ならば三代鷲とは・・・)の長年に亘る世界のトップレベルクライマーとしての大活躍は彼自身のたゆまない努力の賜である。それは十分に知っているつもりだ。しかし、天賦の才もあるだろう。天性の資質もあるだろうが、トレーニング方法にだって何か工夫が有るかもしれない。サラブレッドだけに許された所業なのだろうか。駄馬は駄馬なりに頑張ってきたがサラブレッドは羨ましい。
 青森県出身  父親は山岳プロスキーヤーの草分けである三浦敬三である。1970年、エベレストのサウスコルから直滑降をした山岳プロスキーヤーとして世界に名を馳せた。その後も精力的に山登りに、山岳プロスキーの分野の活躍を続けている。2003年、70歳で最初のエベレスト登頂、2008年、2度目の登頂を果たす。2013年、80歳3度目の登頂を果たす。現在世界最高齢者エベレスト登頂者である。但し、この時は体調を崩し、ヘリコプターで救出された。2018年12月南米の最高峰アコンカグアへ挑戦するもドクターストップとなる。無念の撤退となる。
肺結核を患い、心房細動でカテーテルアブレーション手術を受けている(心肺機能はそれほど良くないとの評価も耳にしたことが有る)にも拘わらず、果敢に旺盛に挑戦を続けている。真に「現代(昭和 平成 令和)の山岳界の怪物」である。演者の著書「登山の運動生理学とトレーニング学」の中に三浦敬三・雄一郎・豪太3世代のトレーニングのことの詳細な記事がある。じっくりと読み解きたい。楽しみだ。
猪谷親子
色々読み進むと「猪谷六号雄・千春」親子のことにも触れてある。「六号雄」は、敬三と同時代の日本のスキーの黎明期の逸材である。息子の「千春」はコルティナ冬季オリンピックのスキーアルペン、回転の銀メダリストであり、後にIOCの委員を長く務めた。
西堀栄三郎
そして、第一次南極観測隊の越冬隊長を務めた西堀栄三郎のことが随所に出てくるのも心弾む思いです。彼は、今西錦司、桑原武夫、加藤泰安、川喜多二郎と共に京都大学学士山学会の中心的メンバーである。岩波新書「南極越冬記」は学生時代の私の愛読書だった。この本からは色々のことを学んだ。令和元年に購入した書籍の中に西堀栄三郎が登場している。そして彼の業績をたたえる著者がいる。それを知っただけでこの本を購入した価値がある。

私が礼を言うことではないのですが、「山本先生有り難うございました」


原真
マカルー峰南東壁を登った日本山岳会東海支部の原真とは親交があったとのことである。原さんとは名古屋でお目に掛かったことがあるが、じつのアグレッシブは登山家であり、医師だった。髙田光政と共に1970年代の東海地区山学界の「雄」であった。脳腫瘍で夭折した。

2時間以上に及ぶ講演と質疑応答であった。 一番ショッキングな事は

「加齢と共にトレーニングの回数を増やすことが一番大切」

「加齢にまけない工夫の傑作」としてこんなトレーニングが紹介されていた。

標高差500メートルの山登りを目標としている。

 40歳以下     1/3月   4回/年

    60歳台     1/7日     51回/年   毎週
   
    70歳以上    1回/5日   年齢と同じ回数

聞き間違いだったのか、書き写す私の勘違いだったかもしれないが、私の手元に残っているメモには以上のように書いてある。

 

 

                                   山本教授の講演会から借用

「 トレーニングに王道なし」  数回力説された
「 塵も積もれば山となる」   その通りですね。

冒頭では
登山は思った以上にハードな運動だが、登山の負荷と比べて日頃の運動が足りていない人が多い。話をされた。耳の痛い話である。が、私の根本はこうです。少なくとも弘前大学体育会山学部出身の私の基本はこうです。フル・マラソンを走る。ウルトラ100キロに挑戦する。過酷である。体力の限界への挑戦です。が、その辛さに耐えて完走出来る原動力は何かと問われたら「どんなにランニングが辛くても北海道、日高山脈の厳冬期登山合宿に比べれば堪え忍べる。」「あの過酷さ、苛烈さに比すればランニングの過重は耐えることが出来る。」
走り終わったら、ビールが待っている。お風呂には入れる。フカフカの布団がある。走り終わったら、そこは極楽だよ。翻って冬山は1日の行動が終わってからテントの、雪洞の設営をする。雪を溶かしてお湯を沸かす。夕ご飯にありつく。凍ってゴワゴワ・ゴリゴリのシュラフの中に潜り込む。体温で氷が溶けると却って始末が悪い。劣悪な環境だ。

その他、手元のメモを基に書いておきます。

登山は思った以上にハードな運動だが、
       登山の負荷と比べて日頃の運動が足りていない人が多い。
60歳を過ぎると努力していても筋力は低下する。それを防ぐためには・・
   
登山力は年齢や性別では決まらない。「今、どれだけ登っているか?」で決まる。
    月間登下降距離  登り   2.000メートル
             下り   2.000メートル
    500メートルの山を1回/周  X4=2.00メートル
    佐賀県の金立山  毎週水曜日登り続けている山登りの会がある。
    怪我が少ない・膝の故障の少ない。北アルプス縦走大丈夫。トレッキングもOK


     

                      山本教授の講演から借用

 マラソンだと  100キロ/月間 以上が必要です。
街中ウオーキングは山登りには全く効果がありません。運動量が少ない。(5メック以下))
階段上り→ 時間が短すぎる  高さにして5-6メートルに過ぎない。
      8メックだが短すぎる。長い長い神社の階段登降は効果的です。

登り続けられる速度を把握する
300メートル/時間   6メック  ハイキング    安全性は高い
400メートル/時間   7メック  無積雪期縦走      心臓にとって安全圏外
500メートル/時間   8メック    バリエーション登山が可能
傾斜はどれくらいですか。標高差は300,400,500と差がありますが、傾斜はどのくらいで設定しているのかなぁ?
或いは
長さは  長さは一定で角度を変えていくのかな
4キロメートルの長さで高低差に差をつけるということですか?
アクトスのルームランナー
 時速  4キロメートル   傾斜8%で    320メートル
               10%で     400メートル
               12%で     480メートル 
                               15%で     600メートル

2013年  

登山中の死亡者    16名    全員男性  心疾患の既往え歴ナシ

 単位時間当たりの登高速度を示す時計が売り出されている。
                          高価である
                          現在無料のスマート・フォンソフトを開発中である。


加齢にまけない工夫の傑作

 40歳以下     1/3M     4回/年

    60歳台     1/7日     51回/年   毎週
    70歳以上    1回/5日   年齢と同じ回数

  加齢と共にトレーニングの回数を増やすことが一番大切

筋肉維持のためにお勧めのトレーニング

スクワット   上体起こし   脚挙げ
この3種類の筋力トレーニングを励行して下さい。

10回3セットから     15回  5セットが容易に出来るようにする。

                            山本教授の講演会から借用

登山体操を考案した
  NHKんHPから閲覧できる。国立登山研修所の  HPから閲覧できる

登山中の身のこなしをよくする「登山体操」   

鹿屋体育大学・スポーツトレーニング教育研究センター長:山本正嘉氏
 https://www.youtube.com/watch?v=IL8kmHo9t60&feature=youtu.be

歳をとると
一番バランスが悪くなる>>>

エネルギー消費量
    体重(KG)X時間x5=消費カロリー(Kcal)  
    私は違う
    体重(KG)x走行距離(キロメーター)=   消費カロリー


                                                     2019/09/03
                                                        JMAT講演会

雑感
 月曜日の寄り、通い慣れたトレーニング・ジム「アクトス」のルームランナーに挑戦した。
時速 4キロ
傾斜角14%  
1時間  
に設定する。
これが結構にしんどいのだ。時速4キロだからゆっくりスタートです。傾斜は気にならない。厳しいと思い出したのは15分過ぎからですね。45分過ぎには、何とか理由を付けて休みたかった。が、そこにランニング仲間が現れた。
「先生!!汗びっしょりじゃないですか」
「何やってんですか!」
「1時間で4キロ歩いて、標高差560を登るの」
五月蠅かったが、気分転換にはなった。
どうにか1時間走りきりました。こなしました。
現役時代、山岳部では500メートル/1時間が基本だった。 勿論荷物を担いだ状態で登るのだとしごかれた。そんな時代を送ってきているのだ。
疲れたが、脚はガクガクにならなかった。激しい疲労感はない。
残る疑問は
「1時間で良いの?」
「2時間、3時間コースは?」
目標は
時速6キロで10%の傾斜で挑戦だね。
これまでの経験は、我が家の標高は130メートルだ、潮見小学校が590メートルです。標高の差は460メートル、距離は14キロです。2時間30分ぐらいかかるのかなぁ

                                 令和元年9月01日   脱稿

 

こ本は素晴らしいですね。勿論、トレーニング学を読むよりも1時間の、2時間のトレーニングです。机上のものは脆いです。が、チョット考え方が変わりましたね。70歳だからこそ、今まで以上に鍛錬する。

すっかり諦めの境地のタカさんでしたが、思うところありです。

 最後の最後に敢えて提言します。

「人生60歳を過ぎたら運動も頭も本気で勝負」

                                         山本教授の講演会から借用

このタカさんの戯言に心躍らされる方もおられるでしょう。

何を寝言をいっとるのだと唾棄される方もおられるでしょうね。

我が意を言えたりと膝を叩かれる方に敬意を表します。

                                            令和元年9月7日  脱稿

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